WORKS /

[ h o l d e r ]

Indirect / Outside for Inside

(間接的/外側から内側へ)

holder
Adoka Niitsu, [ h o l d e r ], 2000-2009
金属製の円筒、フェイクファー、Macintoshコンピューター、Max/Msp(ソフトウェア)、圧力センサー、ヘッドフォン(音で振動)、プロジェクター

サイズ : 210 (高さ) x 85 (直径) cm

多謝:
根津智之(Maxプログラミング)
斉藤製作所(シリンダー)

展示:「INSIGHT VISION-メディアセンターオープニングイベント」多摩美術大学、東京、2001年



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[ h o l d e r ]

垂直の鉄でできた円筒は、フェイクファーと圧力センサーに覆われている。 たくさんの「デジタルツールに使われる手のアイコン」が天井から投影され、円筒の周りを回転している。

円筒には扉がある。観客は、ヘッドフォンをして中に入る。 ほかの観客が、円筒の外側から、触ったり、抱きしめたりすると、圧力センサーによって、手のアイコンは、回転しながら円筒の上部のスクリーンに集まっていく。 手のアイコンが、中心に達したとき、中の観客はヘッドフォンから振動をともなった爆発音を聴く。

展覧会場という現実のフィジカルな空間であるにも関わらず、この間接的な抱擁は、メディアテクノロジーによるコミュニケーションを、空間的なメタファーとして再提示する。観客はデジタルメディアの象徴である抽象的な手のアイコンを、全身を使ってコントロールし、想像の抱擁を行う。

メディアを使用して遠隔にいる他者とコミュニケートするときの失われた身体感覚を、ここでは逆説的に、身体を用いたインタラクションによって、再体験する。

観客の心に浮かぶ、コミュニケーションへの欲望、妄想、願望が、この作品の最終的な完成イメージである。

このインタラクティブインスタレーションは、エドガー・アラン・ポーによる男と渦についての短編小説『メエルシュトレエムに呑まれて』に着想を得た。

メディア分析家マーシャル・マクルーハンは、この小説をメディアインフォメーションの大きな渦から、どのように我々が生き残れるか、というメタファーとして使用している。

  • holder
  • Illustration for Edgar Allan Poe's story "Descent into the Maelstrom" by Harry Clarke (1889-1931), published in 1919